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『プレイヤーとして』#10藤代航太

「プレイヤーとして」 #10 藤代航太

 

僕がこのサッカー部を引退してからもう1年半近く経ちました。

 

高校も引退が秋だったり、中学校は外部の活動があったりしていたのでサッカーに半年以上離れるのは人生で初めての経験です。

 

寝不足で活動しても、お酒を飲んでも、マックを食べても、カップラーメンを食べても、何も気にならない生活。

サッカーをしていた頃は何をしていても明日の練習のコンディションを考慮して、自分を律してきました。不思議なことにこれは苦じゃなかったし、当たり前になっていたのかなと思います。

 

しかし、終わってみてサッカーを本気でやっていたんだな、と痛感します。正直、今サッカーをしていた頃ほどに自分を律することはできていない、それくらいに自分の中心に据えられるものはきっとまだ見つかっていないのでしょう。

 

やっている時にはわからなかったけど、終わってみて頑張っていたと気づくことができる、そんな経験をさせてくれたサッカーや、サッカーを通じて出会った仲間にはとても感謝しています。

 

そしてそんな仲間に、特にこれから東京都立大学を支えていく後輩に僕が伝えたいことは、「心技体+頭」について、そして「基準」についてです。

みんなは、サークルでも同好会でもない、部活に所属していることを胸に「プレイヤー」としてこの文章を読んでください。(それ以外の人へ、僕から偉そうに言えることは1つもないので礼加や春菜やるいに任せます、、、)

 

よく「心技体」全てのバランスが整っていることが大切だ、と言われます。また、更に世代が成長すればするほど「頭」、つまり思考することが大切になってきます。

 

僕がこのサッカー部で3年間活動してきて感じたことは、「頭」の部分が突出して高い選手が多いな、と感じました。これは決して悪いことではないが、強いチームになるために必要なことはもっともっと基本的な部分で、心技体の不足を補うことだと思います。

 

僕ができていたとは言えないけど、絶対に目を逸らしてはいけない部分に対するリスペクトが圧倒的に足りていないと感じています。

日々の練習は100%で取り組んでいますか、練習後の自主練に重きを置いて自己満足していませんか、日々の食事には気を遣えていますか、みんなが見ていないからと言ってカップラーメンやジャンクフードを食べたりしていませんか、練習前十分に睡眠をとっていますか、仕方ない寝不足はあるにしても態度や言葉に出していませんか、細かいけど僕は戦術や各々の考え方よりも先に考えるべきことだと思います。

 

戦術や各々の考え方や理想は非常に大切だと思います。もちろんそこにリスペクトはあります。しかし、正直なところ考えたことを表現するのは心技体の部分で、表現されていなかったら意味がないです。

 

わかるとできるは違う。

 

土台がなければ無意味になってしまいます。そして、都立大のみんなは心技体の部分に大いに伸び代があると考えています。ここにもっと真剣に向き合うことができたらもっと強いチームになる、絶対に。

 

今は正直頭でっかちな部分があると思います。そしてそんな風土もあると思います。

ちょっと厳しい言葉に感じるかと思うけれど、一度受け止めて考えてみて欲しいです。

 

そして更にこの話を考える上で忘れて欲しくないことがあります。以前部員日記でも述べた「基準」の話です。きっと面白くない話なので読んでくれた方はあんまりいないと思いますが、僕としてはすごく大切にしている考え方なので、伝えます。

 

ここから部員日記より一部抜粋、編集

 

“「満足した豚より不満足なソクラテス」

この言葉は僕の成長哲学です。簡単にいうと目の前にあるエサにくらいついて満足する豚よりも、善く生きるとは何か、探し求め探求し、悩み続け、満足することのない痩せ細ったソクラテスの方がよっぽど価値のある生き方だ、ということだ。マジでその通りだなって思う。

 

別に豚みたいに自分の現状に満足して、変わらない人生を否定する気は無いし、別に善し悪しを論ずるつもりはないですが、前向きに悩み続け、改善を試み続ける人生の方がいいんじゃないかな。と僕は思い、人生の指針にしている。そこで最近思うことは、20年という期間の罠について。大学生になってある程度の基準が出来上がってしまった結果、求められることと自分が思っていることとの齟齬が起こる。ん~、、、すごくモヤモヤする。

 

なにか意思決定をするとき、何かを感じるとき、その決定や感覚の決定要因、構成要素は自分の、自分だけの、経験から生成されたもの。つまり過去の自分の経験がパーフェクトでない限り、まだまだ研ぎ澄ます要素があるというわけだ。

 

俺は頑張った、俺はこう思う、俺はこんなに強い思いだ、、、、、ほんとに?

 

常に疑うべきは自分だ、自分の過去であり現状であり、未来だ。理不尽な他人じゃない、理不尽を強いられる自分だ。他人なんか所詮他人だ。自分の考え方や思考の基準を向上させていくべきだ。“

 

簡単に言うと、現状の自分の基準を満たすだけでいいの?次は基準を上げていくべきではないの?と伝えたかった日記です。色んなレベルのチームから集まってきた大学なので、努力の基準とか、頑張りの基準について思うことがあったので3年生の時に書いた日記です。どうでしょうか、少し、いやすごく重い内容だったかも知れないです。でもどんなに笑われてもこの信念は捨てててはいけないと思っています。

 

満足せず、「頑張ったー!」なんて思うのは引退する日でいいと思います。ひたむきに、真摯に向き合ってください。

「心技体+頭」全てを貪欲に磨き続けてください。

 

偉そうな事ばかりで申し訳ないけど、自分への自戒を込めて、みんなに伝えたかった。

 

 

 

そして最後に、サッカー部に入ると言う選択肢を与えてくれた廉太、技術に対するリスペクトを教えてくれた理工をはじめとする同期、そして先輩、後輩の皆さんへ。

 

このサッカー部に入って全力でサッカーをすることができて本当に幸せでした。

 

ありがとう。

 

 

 

10 藤代航太