8歳のとき、当時流行っていたアニメの影響でサッカーというスポーツを知った。すぐに小学校の少年団の見学に行き、14年間続くサッカー中心の生活が始まった。
小学生の頃はサッカーに加え水泳もしており、毎日何かしらの運動をしていたことから周りよりもフィジカル的な要素が優れていて、地域の選抜や年上のチームにも呼ばれるようになった。家族や友人からも期待されるようになり、自分を表すものとしてサッカーがとても大きな存在になっていた。
中学生に上がりクラブチームに所属すると、今まで自分がいつも一番であった環境が大きく変化した。自分と同等以上にサッカーをプレーできる選手が大半で、ライバルがたくさんいる環境を初めて経験した。ただ自分の思うままにプレーするだけでは簡単に試合に出ることはできない。チームの指針に沿ってプレーする。サッカーというものがチームスポーツであり、チームの中での自分の役割を意識しながらプレーすることを理解した。
また、成長痛や度重なる怪我で何度も離脱することも経験した。人よりも多く努力をしなければならないのに、調子が上向いてきたタイミングで尽く怪我をする。この時がサッカー人生で一番つらかったと思う。結局、最後までチームの代表としてピッチに立つことはできなかったが、何も言わずに支えてくれた父と、共に挑み続けることを誓ったチームメイトの存在がとても大きく、卒団までサッカーを続けることが出来た。
高校では、中学での頑張りもあり入学当初からチームの主力として試合に出場した。常に大会で上位に入るような高校ではなかったが、1年生の頃は大会で強豪校を破るなど、チームを代表して戦う喜びや一丸となって勝利した時の達成感といった今まで経験できなかった特別な感情を味わうことが出来た。
また、チームの状況に合わせてプレーするエリアを変え、ゲームキャプテンや練習メニューを考えるなどチームを引っ張っていく立場になった。自分自身にのみフォーカスを当ててサッカーに取り組むことから、チーム全体にフォーカスしていくことに変わっていった。学校の授業中に練習メニューや試合のポジションをノートに書き出して、担任の先生に怒られたのもいい思い出だ。
そして部の中での先輩と後輩という立場、まだ1,2年生の時は、自分が最高学年に上がったら優しい先輩でいようと思っていた。いざ、3年生になってみると優しいだけではダメなことに気が付いた。サッカーをプレーしている時だけでなく、部という組織を成立させるために何が必要なのか、正解がわからない問題を手探りで探しているようだった。結果として、自分の選んだ選択が正しかったのかは分からないが、卒業の時に顧問の先生から「古山が嫌な役を買ってくれたおかげで、いいチームになった」と言われた時はとても嬉しかった。
大学では、チーム力・組織力すべてに対して築かれたものがあり、サッカーのレベルも確実に上がった中で、新しい環境でサッカーをしていくことに期待と不安が入り混じっていた。大学でも体育会サッカー部に所属して、サッカーをすることを決めたことに特別な感情はなかった。動機はいつもシンプルで、ただサッカーが好きだからである。小中高、それぞれの環境でサッカーをしてきて色々な感情を持ち、たくさんの思い出ができ、学びがあった。そのすべてが大学サッカーにも集約されていて、なにか立ち止まることがあっても答えはいつもサッカーの中にあった。
正直、大学でのサッカーですべてが完璧だったとは言えない。もっとチームのために出来たことがあるのでは、もっと自分に厳しくサッカーと向き合っていればと思い返せば切りがない。サッカーを続けていると自分がどうしてサッカーをしているのか分からなくなる時があった。
4年生の時、純粋にサッカーを楽しむことが出来なかった。チームでの立場、自分の将来のこと、怪我や病気、すべてが空回りで重りとなっていた。頭の中では理解していても、行動できない自分に苛立った。余裕のない状況から、サッカーにかける情熱を失ってしまった。引退という2文字がよぎって、やっと自分の愚かさに気付くことが出来た。
きっとどんな物事も経験して、時間が経ってからでないとその大切さを理解することは難しいのだろうと思う。サッカーから離れてからやっと頭の中で整理されたこともあると思うし、これから生きていく中で振り返った時に考えることはまた変わっていくのかもしれない。
ただ今、一番強く思うことは自分はとんでもなくサッカーが好きなのだということ。
サッカーを通じて学んだこと、
サッカーを通じて出会った仲間、
サッカーを通じて経験したすべてのことが、
自分にとって大切なものだ。
ずっと支えてくれた家族、
道を示し続けてくれた先輩方、
共に戦い続けてくれた同期、
生意気でかわいい後輩たち、
熱い指導をしてくれたコーチの方々、
たくさんの人たちに恵まれたおかげで、ここまでサッカーを続けることが出来ました。
本当にありがとうございました。
そしてまた、
“ サッカーやろうぜ ”
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